キャラ考12 犀川先生(S&Mシリーズ)

第12回は珍しくも小説森博嗣のS&Mシリーズから、犀川〔さいかわ〕先生。

名前:犀川 創平
性別:男
年齢:32歳らしい
職業:N大学工学部建築学科助教授
原作:「S&Mシリーズ」
著者:森 博嗣

森博嗣さんの小説との出会いは、大学のおすすめ図書とかかれたチラシです。その本「女王の百年密室」にはまり、更に第一回メフィスト賞をとったデビュー作「すべてがFになる」も読もうとしたのがきっかけ。以下S&Mシリーズの文庫10冊全て買いました☆
ちなみにジャンルは推理小説。探偵役が犀川先生〔S〕と教え子西之園萌絵〔M〕だから、「S&Mシリーズ」です。一冊の厚みは結構ある筈なのに、読み出すと止まらない!!次が気になってしかたないんですよ。トリックも実に奇抜で、よくこんなの考えつくなあと感心します。普通の推理小説のつもりでは絶対見破れません!!
あと工学部の研究室の描写が的確で〔だって森博嗣さん自身が工学部助教授〕、理系大学出身者には非常理解しやすいと思います。なんとなくうちの大学助教授も、こんなふうに雑用に追われてるんかなとか想像したり(笑)。

犀川先生の性格は…自分から動くのは億劫だけど、頭は勝手に働く完全理系型人間。しかも人よりどこかずれてます(笑)。付き合いの長い親友に、妹がいることを全く言わなかったり。殺人事件が起こっても、「じゃあ帰ろうか。」とのやる気全くなし(笑)。そんな彼が一応探偵役なのは、教え子の萌絵が熱心に事件のことを話すからです。それで何故か考えてしまい、真相にたどり着く、というパターンが多いかな。基本的に何が起きても動じずマイペース。でもやるときは行動早いです。たまに周りの人さえ予測不可能(笑)。

好きな台詞は、犀川先生が教え子の男子に、自分の代わりに萌絵とマジックショーに行ってきてくれと頼む場面。因みに萌絵は犀川先生に恋してますが、犀川先生は・・・どうでしょうねえ。

生徒「でも、先生。西之園さん、怒りませんか?」
犀川「どうして?」
生徒「(略)先生の代わりに僕なんか行ったら、彼女やっぱり怒るんじゃないかなあ」
犀川「そうだね」
生徒「否定してくださいよ、先生」
犀川「怒るか・・・。(略)そうだなあ。それは考えなかった。君の言うとおりだね。客観的に見積もっても、西之園君が起こる確率は95%よりは高い。だけど、こんな予測をしても特に意味はないね」
生徒「やっぱり、やめとこうかなあ」
犀川「じゃあ、やめなさい」
生徒「いえ、行きますよ」

生徒はあわてて首を振る。

生徒「なんか、彼女が怒らない理由ってないですか?先生」
犀川「ない」
生徒「先生・・・」
犀川「う~ん、まあ、もし西之園君が怒ったら、こう言えばいい。犀川先生は、今日の調査でかんかんだったってね。西之園君の代わりに浜中君が来たから、機嫌が悪かったって」
生徒「機嫌、わるいんですか?」
犀川「いや、全然」
生徒「彼女、信じますか?」
犀川「それで、なんとか収拾するだろう。諺で言えば?」
生徒「は?」
犀川「毒をもって毒を制する、だ」

犀川は煙草をくるくると回して言った。

生徒「あの、どっちにしても、不幸な役回りですね、僕」
犀川「確かに」
生徒「先生、肯定しないでくださいよ」
犀川「しかし、否定するような理由がない」
生徒「先生・・・」

『幻惑の死と使途』 森博嗣・著

・・・うん、生徒にしてはあっさり返事をしてほしくないところを、ものの見事に断言している犀川先生です笑。こんな身も蓋もない会話をよくしてます☆