※以下チャドリー君のネタバレありますのでご注意。
「初めまして、リーブ・トゥエスティさん。ボクはチャドリーといいますが・・・既にご存知のようですね」
WRO局長室。
いつものデスクの前に現れた少年に、局長室の主はぽかんと口を開けた。
グレーの髪、白衣、そして左目にモノクル。キャラが立ち過ぎている。まるで何処かの童話作家のようだ。
慌てて挨拶を返しつつ。
「まさか、本当に連れてくるとは思いませんでした・・・」
「何をいってんだ。あたしがやるっていったらやるに決まっているだろう」
少年の後ろで、彼を連れてきた科学部門統括が、いつもどおりの仁王立ちで言い切った。
「ま、まあシャルアさんですしね・・・でもどうやって探したんですか」
「シェルクとあんたのオトモ達に協力依頼した」
ちら、とシャルアが局長室のソファを振り返った先。
「待て。俺はオトモではない!単なるサーヴァントだといっただろう馬鹿め!」
「まーハンスはん落ち着いて―」
蒼い髪の少年と猫型のロボットは本日も実にのんびりとマイペースだった。
そして連れてこられた少年はなるほど、と呟く。
「彼がケット・シーさん、そしてハンス・クリスチャン・アンデルセンさん、ですか」
「はい。ご存知でしたか」
「ふん。また色物を連れてきたものだな!もやは人ではない人工知能を連れてくるとは!全く貴様の分身だけでは飽き足らんのか」
「ちょっとハンス・・・」
「そうですね。ボクもまさか人工知能の仲間に会えるとは思いませんでしたし」
「そうやなあー宝条やったらやりそうやけど、ほんまにおるとは思わんかったしなあー」
少年二人と猫一匹。と表現すると和む光景ではあるが、その実態は世界最高峰の人工知能が2体と、洞察力を極めた異世界のサーヴァントである。実に恐ろしい。
のんびりな会話にしびれを切らしたのか、シャルアが鋭くリーブを呼ぶ。
「で、リーブ」
「はい」
「雇うんだろうな?」
相変わらずの有無を言わせない言動。
自分が上司ですよね?と思いつつ、リーブは頷こうとして、はたと気が付いた。
「ど、どうしましょう」
「何がだ」
「チャドリー君って・・・未成年でよね」
WRO規定にも載せている。子供は採用しないと決めているのだが。
当人がさらっと答えた。
「サイボーグに年齢は関係ないでしょう」
「阿保め」
「馬鹿だな」
「リーブはん、相変わらずぼけぼけやなー」
「誰がぼけぼけですか!!!」
fin.
後書き。
チャドリー少年、採用w