21.お食事会

※DCFF7終了直後、検査のためWROを訪れたシェルクの話。

シェルクは呆然と突っ立っていた。
清潔な白いテーブルクロスの上に
色鮮やかなサラダや大きめ野菜のシチューが置かれていることは問題ない。

問題は。

並べられた料理がその数をどんどん増やしていくことで。
正確に言えば、食堂のすべてのメニューを制覇しかねないほどに並べていく人物がいるせいなのだが・・・。

「・・・リーブ・トゥエスティ」
「はい?」
「何故料理を並べるのですか」
「貴女がお昼を食べてないと聞いたからですが」
「・・・それだけ、ですか?」
「ええ。ちゃんと食べないと治るものも治りませんよ?」
「・・・」

シェルクは別に病を患っているわけではなく
DGのせいで魔晄なしでは生きられない体に改良されてしまったわけで。
食事をとるとらないとは別の話だと思うのだが。

「お好きなものを召し上がってくださいね?」
「・・・いえ、その」
「ああ、ご心配なく。私も一緒に食べますから」
「いえ、そういうことでも・・・」
「早く元気になって、お姉さんを驚かせましょうね?」

にっこり笑って押し切られてしまった。

「・・・」

突っ立っていたシェルクは諦めてテーブルにつく。
リーブは満足そうにその向かいに座り、
序でにリーブの後ろにいる護衛隊長は・・・
背後で笑い転げていたりする。

「・・・レギオン。何を笑ってるんですか」
「いや、もう、あんた本当に強引だよな・・・!!!」
「今更何を言ってるんですか」
「自覚ありかよ!!!」
「・・・リーブ・トゥエスティ。貴方はいつも周囲を巻き込んでいるのですか」
「ええ、勿論ですよ」
「言い切ったーーー!!!!」
「ちょっとレギオン、背後で失礼ですね」
「いや、もう、俺笑い死にしそう・・・!!!」
「彼は放置しましょう。どうぞ、シェルクさん」
「・・・」

「そうそう、残りは彼がすべて残さず食べますので、ご心配なく」
「うおう!!!俺かよ!!!」

fin.