※アルスラーン戦記のギーヴ名場面を、DCFF7メンバーでやってみたらというパロディ2。(配役はWeb拍手「39.DCFF7でアルスラーン御一行様」参照)
アルスラーン戦記・第二期。『風塵乱舞』
シーン2。
敵を撤退させた王太子一行は、ペシャワール城でリーブの報告を受けていた。リーブ曰く、従兄弟殿は王位を借るために、宝剣ルクナバードを探していたという。但しその宝剣は別の一行に奪われてしまった。聞き終えたデンゼルがリーブのこれまでの道程を労ってくれた。恐縮してそれを受けたリーブだが、しかし、と言葉を区切って側に控える臣下たちに目をやる。
「・・・それにしても。あの男は誰にございますか!?シャルア殿の側に図々しいじゃないですか!!」
ひざまずく姿勢は変えないまま、気にくわないとばかりにリーブがシャルアの隣にいる肌の黒い大男を指さす。指さされた男は我関せずとビールを煽っている。因みにリーブがシャルアの美貌に惚れ込んでいるが、いつも軽くあしらわれていることは仲間内では衆知の事実であり、デンゼルは笑顔で疑問に答えた。
「ああ、万騎長のバレットだ。サンマノエル城の戦いから合流してくれた」
ほお、とリーブがバレットをじいいっと凝視した後に、隣のシャルアに片膝をついたままにじり寄る。
「シャルア殿!如何に私の不在が貴方の心を空虚にしたとは言え、徒にふざけた男をお側に近づければ、貴方の尊厳に関わりますよ?」
「なら、あんたが側にいればいい」
予想外の台詞に、リーブが虚を突かれた顔で固まった。
「・・・へ?」
リーブは思考が停止したまま、記憶の中にある台本をめくる。
リーブらしからぬ歯の浮くような台詞を言ってのけたのは、ギーヴという人物の気質だから役になりきったというのもあるが、それ以上にシャルアの次の台詞を知っていたからである。で、なければとても言えるものではない。
「・・・あ、あのシャルアさん?ここは私が盛大にふられる場面でしたよね??
『お主が不在だからといって、何故私が空虚になるのじゃ』でしたよね???」
「あんたを野放しにしてみろ。どうせ浮気候補を増やすだけに決まっている!あたしの側にいるんだろう?」
「え、ええっと、その・・・」
堂々と言い切るシャルアは、ファランギース役のため白衣姿ではなく、神殿の女神官姿である。純白のドレスといっても過言ではない。元々のスタイルの良さも相まって、リーブからみるといつにもましてその姿は眩しすぎた。
思わず目を反らして口ごもるリーブの背後で、反対側に控えていたエラム&アルフリード役のユフィとナルサス役のヴィンセントがとどめを刺した。
「おっちゃんの負けー!」
「リーブ。往生際が悪い」
「ちょっとそこのお二人止めてくださいよ!!!」
fin.