67.お留守番

「まだ3日目か・・・」
「うん」
「一週間出張だったな」
「うん」
「カップラーメン飽きたな・・・」
「そうだね」

独りごとのような愚痴に一々返答してくれる妹の頭を優しく撫でる。
リビングのソファに二人きり。両親を亡くした直後は二人きり。妹が拉致されてからは独りぼっちだった。
それが今や5人家族になった。けれど。

口喧嘩まではならないまでも口の減らない毒舌の少年も。
糸目でそれをにやにや見守る白黒猫も。
彼らのマスターも、暫く不在だった。

「あたしも贅沢になったものだな・・・」
「いいことだよ?」
「そうか?」
「うん」

独特の蒼い目で見上げてくる妹をもう一度撫で、仕方ないと苦笑する。

「明日の夕飯は外に出るか」
「うん」
「早くあいつの手料理が食べたいな」
「リクエストしてみたら?」
「成程。ナイスアイデアだ」

にやっと笑えば、妹がはにかむ。

「よし、シェルクは何が食べたい?」
「えっと・・・。素麺かな」
「素麺か、いいな。よし、メールしておこう。序でに材料も調達しておくか」

fin.

リーブさんはよく出張で世界中飛び回っているだろうから、女性陣のお留守番もありかと。勿論彼女たちもよく出張してそうですが。
しかしやっぱりお母さんを待つ子供たちみたいな・・・(笑)。