WRO寮の最上階。我が家としているこの部屋に戻ってくれば、リビングのソファにケット・シーが猫のように丸まって寝ていた。
「・・・何やってるんだ、お前」
「あ、シャルアはん、お帰りー」
ひらひらと片手をあげつつ、彼はソファに寝そべっている。これが普通の猫ならば、これが人ならば別にあたしも気にしないのだが。機械仕掛けのボディをもつケット・シーが寝そべるとは珍しい。
「何の真似だ。故障か?」
「ちゃうちゃう。リーブはんの依頼や」
「は?」
「リーブはん、えらい眠気に襲われてはるんやけど休めへんから、ボクが代行しとるんや」
「・・・代行だと?そんなことが出来るのか?」
「いんや、いくらボクがリーブはんの分身やゆうても、肉体の疲労までは分けられへんで。マスターは気分や、ゆうとったけど」
「・・・あの阿呆が」
あたしはケット・シーに背を向けて扉へ向かう。勿論、麻酔銃の準備は万端だ。
「本体を眠らせてくる」
「流石シャルアはん「何言ってるんですか!?」」
ケット・シーの言葉に焦った主人の台詞が被った。あたしはくるりと振り返り、不敵に笑ってやった。
「覚悟しろ、リーブ」
fin.
「一撃でした(BYレギオン)」