8.正体

「『この紋所が目に入らぬか!』とか、
『まさかこの人が!?あの!?』というパターンって一度くらいやってみたいですよねえ」
「・・・何を言っている」
「だって名乗る前に私のことがばれてるって、つまらないじゃないですか」
「・・・お前が散々メディアにでるからだろう」
「でも『その正体は!?』っていうのに憧れません?」
「お前は既にケット・シーでやっただろう」

ヴィンセントはFF7でのやり取りを回想した。
占いロボットケット・シー→その正体はスパイで、操縦者はリーブ。
リーブはDCでのやり取りを回想した。
リーブとの再会→その正体はケット・シー。

「そうですね。では正体はケット・シーってことですね」
「・・・本体はお前じゃなかったのか」

   *   *

「・・・あのー。ヴィンセントさん、真面目に戦ってください。
局長、真面目に護られてください・・・・。
たく、この状況で馬鹿なこと言わないでくださいよ」

護衛であるレギオンが見かねて割り込む。
市街地から離れた、袋小路。
ある企業を視察後、待ち構えていたらしい武装集団に囲まれていた。
リーブは銃を構え、しみじみと呟いた。

「・・・せめて変身ぐらいしたいですね。そうすれば少しは戦力になりそうですのに」
「諦めろ」
「ガリアン一匹貰えませんか?」
「馬鹿を言うな」
「・・・お二方・・・」

fin.