<注意事項>
※科学者ハンター設定、G級ハンター後。
※モンハンワールドのネタバレは・・・大したことないです。導入部ですし。
※検索ワードで間違ってきちゃった方、攻略には関係ない二次小説サイトですので、さくっと回れ右してください!
新大陸への上陸は中々に波乱に満ちていた。
船内で何かに気付いたらしい女性について甲板へと出てみれば、船は何かに乗り上げたように大きく傾いた。慌てて何処かに捕まろうにも、船はほぼ垂直にまで持ち上がり、あっという間に我々は荒れ狂う海に放り出された。
海へと真っ逆さまに落ちながら、あたしは元凶を見た。
まるで地底火山が海面に吹き出したかのような、溶岩の塊にも見えたそれ。
ゾラ・マグダラオス。
あたしらの目的である古龍だ。
ケットともはぐれて、ともあれ女性と共に陸地に辿り着いてみれば、そこは新大陸の大自然真っ只中。古代樹の森で蜥蜴をでかくしたような小型モンスターどもに追われ、拠点前には飛行大型モンスターに阻まれ、装備もままならないあたしらはもはやこれまでか、と覚悟した。
その時、拠点から飛び出してきたのが、屈強そうな男性ハンターだった。
彼の指示のもと辛くも拠点に滑り込み、事なきを得た。
「相棒!これから、よろしくお願いします!」
共に海に落っこちた女性、彼女はクエストの受付嬢であり、あたしの相棒になったらしい。
そうして案内嬢と、男性ハンター、調査班リーダーから拠点の案内を受けていたら、食事場で探していた友人を見つけた。
「ケット・シー!」
「シャルアはん!無事やったんか!」
「それはこちらの台詞だ」
「これでもハンターやさかいな。いやーそれでも海に落っこちたときはほんま、どうなるかと思たで」
「全くだ」
二人してはあ、とため息をつく。上陸するだけでこれとは先が思いやられる。さて、と気持ちを切り替えて改めて拠点を見渡す。
「にしても、広いな」
「やろー?ボクも吃驚したわー。」
調査班リーダーに連れられて物質調達班やら工房やら食事場やら色々巡ったが、何と5階建ての拠点になっていた。しかも、それらのエリアは階段だけでなく、リフトでもつながっている。
調査班リーダーとの会話を回想する。
* *
「リフトだと?だが動力源は・・・」
はっと見上げる。滝からごうごうと轟く水流と、その流れに沿うように設置された。
「水車か!」
「そうとも!これはお宅の旦那の案だとよ」
「リーブの、か?」
「ああ。何せ新大陸の拠点、いつモンスターに襲撃されてもおかしくないから、戦闘街ドンドルマの町長には設計に関して相談にのってもらったわけだ!」
「成る程な」
「滝の側なら、生活用水も汲める、ロフトも動かせる、植生研究所の学者も植物を育てられるで一石三鳥ってことだな」
「流石だな」
* *
「リーブらしい発想だな」
「リフトやな。便利やで、すぐ目的エリアに行けるさかい。人だけでなく、荷物の運搬も楽々や」
二人でリフトを見上げる。ここでもあいつに支えられているなら。
「よし、新発見に向けて邁進するとするか、ケット!」
「りょーかいや!」
fin.
後書き。
冒頭からトラブルに巻き込まれすぎだぜ、主人公(笑)。