80.除霊師

※「追跡」でケット・シーが洞窟内をうろついているあたりの余談。「英霊と執行人」ネタ入ります。

 

ギ族の洞窟にて。
ケット・シーはサーモグラフィーに寒色系で現れる敵・・・亡霊をファイアやら打撃系やらで兎も角倒しまくりつつ、迷い込んでいる人がいないか走り回る。そんな中、ぽつりと主が呟いた。

『・・・そういえば』
「なんやねん、リーブはん」
『亡霊って霊ですよね』
「そりゃそうやろけど」
『・・・うーん。見たかったですねえ』
「霊がみたいんか?でもあんさん今みとるんやろ?」
『いえ、この前出会った男の子、トール君というのですが、彼が除霊師だったそうなので』
「あー・・・。それやったら一掃してくれたかもしれへんな」

そこらじゅうにある青色の塊を見渡して、ボクはちょっと想像した。
どうやるかは知らないけれど、何でも不思議な本で地獄から見たこともない動物を召喚するらしい。その動物が霊と戦うのだろうか?まあでも除霊師というならばプロなのだろう。
うん、見てみたい。

『ですよねえ。また可愛い犬を召喚してくれるんでしょうかね?』
「ボクも見たかったわあー」
『また来てくれないでしょうかねえ・・・』
「異世界の人やったんやろ?しゃーないやん」
『鬼灯さん、トール君を呼んでくれないでしょうかねえ・・・』
「異世界召喚は無理やろ」
『そうですかねえ・・・?でもあっちに戻せるなら呼び戻すくらい・・・』
「よっぽどええ人材やったんやろうけど、そのへんで諦めとき」
『ううっ。いい子だったんですけどねえ・・・』

fin.

ギ族の洞窟って亡霊が出るんだよねーと思ったらつい。
リーブさんがトール君に未練たらたらだといい(笑)。ライブラのメンバー(「交渉」参照)も実は凄く勧誘したくてたまらないに違いない。そしてもし異世界の移動が楽々可能になれば、多分リーブさんは六氷魔法律事務所に依頼して除霊してもらうだろうなあ。そしたらムヒョは霊の数と一斉に襲いかかる様子から、現世長期無断滞在と傷害未遂で魔列車の刑にすればいい。魔列車で複数の霊を列車内に引き込んで纏めて地獄行きに出来るから、文字通り一掃だねw